Short Interview Keiichi Sugimoto & Duenn

whitewood

FourColor/”Ballet”

 


国内外のレーベルから多数の作品をリリースしている杉本佳一によるソロプロジェクFourColor/フォーカラーが新作『Ballet』を福岡を拠点とするカセットレーベルDuennLabel/ダエンレーベルからリリースした。FourColorとしては実に数年ぶりのリリースとなる今作、気にならない理由が無い。という事もあり杉本佳一氏、そしてレーベルオーナーのDuenn氏に作品について質問を行った。そこから読み取れたのは2人の作品に対する情熱と音に真摯に向き合う姿勢だった。

[Ballet]



Release Date : 2015.1.15(thur)
Artist: FourColor
CAT NO: dnn027
label : duennlabel
Media : tape
Art Direction by moskitoo

[Track List]

side A
Fondu
Ballonne
Eternal repetition.
Valse

side B
En l’air
Carmine sync 1.
Carmine sync 2.
Double

order

store : Meditations(Kyoto)/JETSET(Kyoto)/Los Apson?(Tokyo)/パララックス・レコード(Kyoto)/weird-meddle record(Tokyo)

 



Interview Keiichi Sugimoto



「まず今回の作品タイトルについてまず聞かせてください。『Ballet』とありますが。これはあの踊りのバレエですよね?大変面白いなと思ったのですが、何か特別な意味があるのでしょうか?」

そうです、あの踊りのバレエです。 バレエってすごく優雅に見えて美しいのですが、そこに達するまでは当然鍛錬であったり感覚を研ぎ澄ましたりとその人の持っている能力の全てをぶつけている気がしたので、この作品もそうありたいという敬意の意味も込めてこのタイトルにしました。


「FourColorとしては4年ぶりぐらいのリリースになるかと思うのですが、今回の作品はどういう位置づけになりますか?」

前作は12Kレーベルから2011年5月発売の『As Pleat』でした。8曲入りで40分 強のアルバム作品になります。
FourColorとしては慣れ親しんだ手法から距離を置き、新たな手法を取り入れたターニングポイント的作品だと思います。


(MV『Quiet Gray 1 [featuring Moskitoo] / As Pleat』)


「以前、何かのインタヴューで『FourColor やminamoは音の焦点をどこに持っていくかが美学だ』と言っていましたが今回の作品の音の焦点はどこにありましたか?」

そのインタビューでも言っていたかもしれませんが、音そのものへの関心と同時にどのような過程でその音を生成するかということもこのFourColorやminamoではとても大事なことになっています。 単に手練れになるのではなく、慣れない”こと””もの”に触れることによって自身へ負荷をかけ、それらをもっていかに自分らしい/理想とする音に変換するのか、ということに興味があります。


「今回カセットテープでのリリースという事で何か(音作り等)特別に意識した点はありましたか?」

もちろん媒体としてカセットテープが面白いと思いましたが、音作りなどで特別意識した点はありません。
いつも通り全身全霊を傾けて制作しました。


「杉本さんはFilFla、Vegpherなど、アプローチの仕方によっていくつかの名義を使い分けて活動されていますが、他のプロジェクトでの活動が今回の作品の音作りに何か影響したりしましたか?またFourColorに変化をもたらした点はありますか?」

まず音・音楽作りに関して影響がないような部類でそれぞれの名義を使い分けています。 とはいえ一人の人間がやっていることなので、日々、音・音楽に触れ成長する毎に敏感になっているので、そういった意味では常にそれぞれのプロジェクトが影響しあっているとも言えます。


「さしつかえなければ次回作や今後の予定、挑戦したい事についてお聞かせください。」

今回この『Ballet』はとても苦しみ抜いてリリースできた作品なので次作のことはまだ到底考えられませんが、同時にこの作品で 表現している事をライブパフォーマンスしていきたいです。 そしてライブパフォーマンスによって”FourColor”をアップデートしていくことで次作にも繋げたいです!

*2月11日 Vegpher @中目黒Solfa 3月27日 minamo @渋谷Last Waltz 4月11〜12日 FourColor @長野県渋温泉『渋響』 4月18日 FourColor @名古屋K.D Japonでのライブが決まっている。



Interview Duenn


「まず今回の杉本佳一さんの作品リリースに至った経緯を教えてください。」

杉本君の存在を知ったのはゼロ年代初頭だったと思います。実際知り合ったのは割と最近で2012年に福岡のとあるクラブイベントで出会ったのが最初でした。それから僕の自主イベントに出演して貰ったり、一緒にイベントを共催したり、九州ツアーをしたりといった関係が続いています。リリースに至った経緯ですが彼の活動の中で特にここ最近クライアントから依頼されて制作する広告音楽に携わる事が多い中で、何の制約も無いところから作った彼の音楽をじっくり聴いてみたいと思ったのが今回リリースを依頼した主な理由です。


「作品『Ballet』はレーベル(今までのリリースの流れから)にとってどういう位置づけになりますか?」

今後振り返った時にレーベルがどの時期に転換期を迎えたかを示してくれる重要な作品だと思います。と、同時にこれは初めて言う事ですがこの作品を聴いてレーベルオーナーの立場ではなく1人の作家として真剣に制作に取り組まなきゃいけないなと思わされました。


「制作を依頼するにあたってレーベル側から何か特別に頼んだ事はありましたか?またリリースするにあたってアーティストの選定基準をお聞かせください。ずばり音のどの部分に焦点をあてて聴かれていますか?」

作家が制約の中でどんなモノを作り出すかにとても興味があるので今回に限らず制作を依頼するにあたって特別に何かを頼むと言うことは殆ど無いです。アーティストの選定基準というのも実のところぼんやりとしてるので言語化が難しいですね。ただ一つ言えるのは人柄やそれまでの作品にミニマリズムな部分があるかどうかを無意識に気にしてると思います。


「レーベルを始めようとしたきっかけ、またカセットテープでのリリースにこだわっておられますが、数あるメディアの中でカセットを選んだ理由をお聞かせください。」

音楽や美術品は何百年経っても存在し、人の心に何かを訴え続けるというところに昔からロマンを感じていました。レーベルを始めたのは自分が興味があるものや好きなものをアーカイブ化して次の世代に残すことで例え自分の名前は残らなくても作品がその歴史の一部になれば良いなと考えたからなのです。カセットを選んだのは恐らく他のカセットレーベルの方も同感だと思いますがカセット個体のデザイン性や簡単にザッピングして聴けないので作者が意図した曲順で聴いて貰いやすいからです。


少し個人的な興味ですが今後は東京以外のシーンの動きも気になっています、福岡だけでなく九州のアンビエント、ドローン、エクスペリメンタル、電子音楽のシーンの現在はどういった状況でしょうか?

九州のエクスペリメンタルシーンというのは特に存在しないと思います。ただ、レーベル主催の自主イベントに関しましてはここ2-3年で福岡のレコード屋や単館系の映画館がほぼ無くなった事もあり、行き場所を失った比較的感度の高いお客さんが足を運んで頂けるようになった印象を受けます。

レーベル独自のブッキングで様々な音楽を紹介させて頂いてるお陰かどうか定かではないですがお客さんの耳が回を重ねるごとに肥えてきている印象を受けます。

東京や京都などに比べてアーティストの層が薄く今後も増加する見込みがあまり無いので、今後は国内外のアーティストが旅行がてら気軽にLIVEをやりに立ち寄れるような「HUB」のような場所を目指すことで福岡ならではの独自性が出せるのではと考えております。


「さしつかえなければ次回作や今後のレーベルとしての動き、挑戦したい事があればお聞かせください」

他のアーティストのリリースを全く止める訳ではないですが今後は自分自身の制作及びリリースに注力してきたいと思います。レーベル<ダエン>だけではなく作家<ダエン>としても注目して頂ければ幸いです。



Artist Profile

FourColor
FourColor2015


FilFla、Vegpher、Minamoの名義でも活動するサウンドアーティスト/コンポーザー杉本佳一によるソロプロジェクト。
調和不調和、曖昧と明瞭、デジタルとアナログ、必然と偶然、これら相反する物を同次元で扱う事でユニークな音楽を生み出す事を目指している。

杉本の作品はニューヨークの「12k」をはじめ、ドイツ「TOMLAB」、日本の「HEADZ」など国内外の音楽レーベルから発表されており、英「THE WIRE」誌ベスト・エレクトロニカ・アルバムに選出されるなど、海外での評価も非常に高い。また、数多くの映画/映像、演劇、エキシビジョンへの楽曲提供・制作や、CMをはじめとする広告音楽を手掛け、担当作品がカンヌ映画祭・監督週間「若い視点賞」、フランス・エクスアンプロヴァンス映画祭「オリジナル映画音楽部門賞」を受賞するなどの実績も残している。

最新作は2015年カセットレーベル「Duenn」より発表した『Ballet』。



Duenn

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アンビエントアーティスト。Roland SP-404などの最小限の機材でどこまで表現出来るか追求。
レーベル としてもNyantora /Merzbow /Oval /Ikue Moriなど国内外の実験的・前衛的なアーティストの作品を主にカセットでリリース。
自主イベントexperimental program キュレーター。浅野忠信 / 中原昌也 / Ovalなど先鋭的なアーティストを招聘。